社内文書検索に生成AIを使うことの有効性をChatGPTを使ってデモで示してみる

はじめに

昨今、社内の業務効率化を図るために、多くの会社で生成AIを導入する動きが見られます。膨大な社内文書の中から目的の内容を抽出する上でAIを使用することは非常に有効です。

本記事では、なぜ従来のキーワードベースの社内文書検索システムよりも、ChatGPTなどの生成AIによるチャットボットベースの検索システムの方がより有効なのかを、皆様が課金していれば使用可能であるChatGPT4を用いてデモします。

デモ準備

デモでは、有料サービスChatGPT PlusのGPT4を使用します。
サンプルの社内文書として、ネット上に公開されている以下の4つのPDFを使用します。

情報セキュリティ10大脅威 2023
情報セキュリティ管理基準 (平成28年改正版)
中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第3.1版
中小企業のためのセキュリティインシデント対応手引き

デモ

4つの資料をGPT4に読み込ませて、以下ような具体的な質問をしてみます。

質問1(具体的):

回答1(GPT4による):

続けて質問をしてみます。

質問2(具体的):

回答2(GPT4による):

質問に対して提供した文書をもとに、明確に回答がされていることがわかります。ただし上記のような、具体的な質問をしたい場合は、従来の社内文書検索システムでキーワードをもとに文書の検索、閲覧をすれば良いかもしれません。

一方で、以下のような抽象的な質問をしたい場合に、生成AIを用いたチャットボットは有効です。

質問(抽象的):

回答(GPT4による):

このように、チャット型の生成AIを使用するメリットは内容の要約や抽象的な質問の意図を汲み取ることにあります。

加えて、回答で長い文章を読むことが煩雑な場合は、「簡潔に」や「〇〇文字以内で」とプロンプトに追加することで、要点を簡潔に知ることができ、さらにチャット型のAIの恩恵を受けることができます。

質問(抽象的):

回答(GPT4による):

読み込んだ文書をもとに、適切に質問の内容を汲み取って回答がされていることがわかります。


以上のように、生成AIを用いたチャット型の社内文書検索を取り入れることで、膨大な文書をもとに、抽象的な疑問への回答や膨大な文書からより簡潔な回答を得たい場合にも対応が可能となります。

ただし、会社のセキュリティや顧客のプライバシー、データの二次利用防止などを考慮して、Azure OpenAI Serviceのような閉じられた環境を構築することが必要となります。