ソースコードを直接貼り付けずに生成AIにコードのパフォーマンスを改善してもらう方法 (ドキュメント化編)

はじめに

エンジニアの開発効率を向上させるために、昨今多くの会社で生成AIを導入する動きが見られます。

その中で、自社で開発したソースコードを生成AIに直接入力することは、知的財産の漏洩やセキュリティ上のリスクを発生させる懸念があります。

そこで本記事では、ソースコードを直接貼り付けずにAIにコードのパフォーマンスを改善してもらう具体的な方法の中で、ドキュメント化を行った方法について紹介します。

ドキュメント化

コードの動作や構造に関する文書を作成し、それを元に質問や相談を行います。これにより、コードそのものを共有することなく、必要なアドバイスを受けることができます。

例えば、以下のようなソースコードがあるとします。

ソースコード(ChatGPTによる例):

import some_data_processing_library

def process_data(data):
    # データの正規化
    normalized_data = some_data_processing_library.normalize(data)

    # 特徴量の抽出
    features = some_data_processing_library.extract_features(normalized_data)

    # パターンマッチング
    matched_patterns = some_data_processing_library.match_patterns(features)
    return matched_patterns

# 非構造化データの例
raw_data = load_data_from_source()
patterns = process_data(raw_data)

このソースコードのドキュメント化を行う際は、以下のような手順でドキュメント化し、質問をして回答を得ます。

ドキュメント化のステップ:
1. アルゴリズムの目的の特定:
まず、アルゴリズムがどのような問題を解決しようとしているか、その目的を明確にします。このケースでは、process_data関数の最終的な目標や機能を簡潔に記述します。

  1. 入力データの記述:
    次に、問題に直接関連するコードの部分を探します。このケースでは、process_data関数の入力データとなっている変数dataについて、データの種類や特性を記述します。

  2. 処理手順の概説:
    アルゴリズム内で行われる主要な処理ステップを、簡潔に説明します。この段階では、コード内の各関数や操作の目的と役割を記述します。

 ・ 正規化 (変数normalized_dataに関して):
   入力データdataは、最初にsome_data_processing_library.normalize関数によって正規化されます。

 ・ 特徴量の抽出 (変数featuresに関して):
   正規化されたデータからsome_data_processing_library.extract_featuresによって特徴量が抽出されます。

 ・ パターンマッチング (変数matched_patternsに関して):
   抽出された特徴を用いて、some_data_processing_library.match_patternsによってパターンが識別されます。

  1. データの定義:
    アルゴリズムの出力として得られるデータの種類や形式を記述します。このケースでは、process_data関数の戻り値である変数matched_patternsが、処理の最終的な結果として、マッチしたパターンのリストを返すことを記述します。

ドキュメント(ChatGPTによる例):

・ アルゴリズムの目的:大量のデータセットから特定のパターンを識別するための処理を行う。
・ 入力:様々なソースからの非構造化データを入力として受け取る。
・ 処理手順:
    1. データの正規化:入力データを一定の形式に統一するためのデータの正規化を行う。
    2. 特徴量の抽出:正規化されたデータから重要な特徴を抽出する。
    3. パターンマッチング:抽出された特徴を用いて特定のパターンを識別する。
・出力:処理の結果、パターンにマッチするデータのリストを出力する。

質問の仕方(例):
非構造化データから特徴量を抽出し、特定のパターンを識別するアルゴリズムを最適化する方法について具体的に教えてください。上記のドキュメントを用いて、特にパターンマッチングのプロセスを効率的にするためのアイデアはありますか?


AIによる回答(ChatGPT):
1. データの前処理の改善
・ 高度なテキスト解析: 非構造化データがテキストである場合、自然言語処理(NLP)技術を用いて、より洗練された特徴量を抽出します。例えば、感情分析やトピックモデリングなどを行うことができます。
・ 画像データの場合: コンピュータビジョン技術を使用して、画像から重要な特徴を抽出します。例えば、顔認識、オブジェクト検出などがあります。

2. 特徴量の選択
・ 次元削減: 不要な特徴量を削除し、データセットの次元を減少させることで、処理速度を向上させます。主成分分析(PCA)やt-SNEなどの技術が有効です。
・ 特徴量エンジニアリング: データからより有意義な特徴量を生成することで、パターンマッチングの精度を向上させます。

3. 効率的なパターンマッチングアルゴリズムの選択
・ 機械学習モデルの利用: データセットに基づいて学習する機械学習モデル(例えば、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン)を使用することで、効率的にパターンを識別できます。
・ ディープラーニングの活用: ニューラルネットワークを用いたディープラーニングモデルは、特に複雑なパターンや非線形の関係を識別するのに有効です。

4. 並列処理と分散処理
並列処理: データの処理を複数のスレッドやプロセスに分散させることで、計算リソースを最大限に活用します。 分散処理フレームワークの使用: Apache Sparkのような分散処理フレームワークを利用することで、大規模なデータセットの処理を高速化します。

5. キャッシュとデータのインメモリ処理
・ 計算結果のキャッシュ: 頻繁に使用される中間データや計算結果をキャッシュに保存し、再計算を避けます。
・ インメモリデータベースの利用: データをメモリ上で処理することで、ディスクI/Oのオーバーヘッドを削減します。

これらの技術や方法を組み合わせて適用することで、非構造化データからの特徴量抽出およびパターンマッチングプロセスを効率的かつ効果的に行うことができます。重要なのは、特定のデータセットとアプリケーションのニーズに合わせて、適切な技術を選択し、組み合わせることです。


このように、ソースコードのドキュメント化を行うことで、実際のコードの詳細を伏せたまま、セキュリティを確保しつつ、アルゴリズムの全体的な概念や問題点についての技術的なアドバイスを受けることができます。



その他の手法はこちらです。

コードの一般化:https://tech.kurojica.com/archives/59975/

擬似コード化:https://tech.kurojica.com/archives/59987/

問題点の抽出編:https://tech.kurojica.com/archives/59992/