社内で使っているBacklogの情報を、Claude Desktopから簡単に取得できる「Backlog MCPサーバー」を使ってみました。
MCP(Model Context Protocol)ってなに?
MCPとは、AIアシスタントと外部サービスの間をつなぐ「橋渡し役」のような仕組みです。AIは通常、そのときの会話の文脈だけを元に返答しますが、MCPを使うと、リアルタイムで外部のサービス(今回の場合はBacklog)から情報を取得し、その情報をもとに返答してくれるようになります。
導入の流れ
公式の手順(nulab社のREADME)通りに進めました。手順としては以下の6ステップです。
- Claude Desktopのインストール
- BacklogのAPIキーを取得
- Backlogドメインの確認
- Claude Desktopの設定ファイルを編集
- Claude Desktopを再起動
- MCPサーバーが正しく動くか確認
1. Claude Desktopをインストール
まずはClaude Desktopをダウンロード https://claude.ai/download
MCPの利用は無料プランでも可能ですが、少し使うとすぐ「最大文字数に達しました」と表示されます。
2. BacklogのAPIキーを取得
Backlogにログインし、「個人設定」→「API」からAPIキーを発行します。
3. Backlogドメインの確認
使用しているBacklogのドメイン(例:yourdomain.backlog.com
)を確認しておきます。
4. MCPの設定ファイルを編集
まず、Claude Desktopを開き、Macのタブから設定を開きます。
開発者を選択し、構成を編集を開きます。
Claude Desktopには設定ファイル claude_desktop_config.json
があるので、それを開きます。
公式が推奨している通りDockerを使用します。以下のように記述します。 ここでBACKLOG_DOMAINとBACKLOG_API_KEYを先ほど準備したものに置き換えます。
{ "mcpServers": { "backlog": { "command": "docker", "args": [ "run", "-i", "--rm", "-e", "BACKLOG_DOMAIN=<ここにドメインを入力>", "-e", "BACKLOG_API_KEY=<ここに取得したAPIキーを入力>", "ghcr.io/nulab/backlog-mcp-server" ] } } }
5. Claude Desktopを再起動
設定ファイルを保存したら、Claude Desktopを再起動します。
6. MCPサーバーの確認
Claudeの画面で「+」ボタンの横にある設定メニューに「backlog」が表示されていれば成功です。
実際に使用してみる
まずは「自分が参加しているプロジェクト」を聞いてみました。
しっかり正確に返ってきました。プロジェクト名もズレなく、いい感じです
次に、検証用に用意したプロジェクトである”プロジェクト作成テスト”という名前のプロジェクト名だけを伝えて、そこに含まれるタスク一覧を聞いてみました。プロジェクト作成テストには以下のタスクのみが存在します。
結果が以下になります。
プロジェクト名からプロジェクトIDを特定し、そのプロジェクトIDを使ってタスク一覧を取得してくれました。 人が実際にコードを書くとなると、使用するAPIの選定から、実際にコードを書くまで数分~数時間かかる処理を、ほんの数秒で実行してくれました。すごい。
最後に「今年完了したタスクの件数を教えて」と聞いてみました。
「今年」というあいまいな言葉だけで、ちゃんと1/1〜5/8に完了したタスクを抽出し、出力してくれました。 Backlogの画面をポチポチ開いて確認していたあの作業が、こんなにも直感的に、しかも数秒で終わる。 自然言語だけでここまで操作できるのは便利ですね。
まとめ
Backlog MCPサーバーを使えば、Claude Desktopから自然言語でBacklogを操作できるようになります。 ちょっとしたタスク確認や、プロジェクトの進捗を知りたいときに、とても便利です。
ぜひ試してみてください!