サイト内外のSEOを網羅しよう
SEOは大きくは内部SEOと外部SEOに分けられます。
- 内部SEO:自サイトのコンテンツや仕組みの品質を改善することで、検索エンジンの評価を高めるSEO
- 外部SEO:外部サイトからの被リンク・露出を増やすことで、検索エンジンの評価を高めるSEO
WordPressサイトを構築したら対応したい内外のSEO項目の対応方法を紹介します。
目次
なお紹介する画面や操作方法はWordPress4.9.4時点での内容となります。
内部SEO
SEOを実施するための準備から順を追って紹介していきます。
All in One SEO Packをインストールする
以後の項目でも利用するプラグイン「All in One SEO Pack」をインストール・有効化してください。
WordPressには人気のSEOプラグインがいくつかありますが、100万件以上のインストール件数、多数の高評価、更新頻度の高さ、またリリースしてから10年以上更新され続けている点も評価し採用しています。
All in One SEO Packの使い方は各SEO項目で紹介します。
Google Analyticsの設定
アクセス解析をするためGoogle Analyticsの解析コードを埋め込みます。
WordPress管理画面の左メニュー「All in One SEO
」→「一般設定
」を開き、ページ中ほどの「Google設定」に入力します。
「GoogleアナリティクスID」を入力すると「高度な分析オプション」以下が展開します。「トラッキングからユーザーを除外」で「Administrator」をチェックするとWordPressにログインしている管理者ユーザーを解析から除外できます。
パーマリンクの最適化
パーマリンクとはWordPressでページを作成した時にできるURLです。
WordPressのデフォルトでは以下のようなURLで生成されます。
http://www.example.com/2018/03/postname
ページのURLにキーワードを含めることでSEOで評価され、人の目にも触れやすいため、URLをコンパクトかつ分かりやすくしているサイトも多いです。このパーマリンクを最適化しましょう。
WordPress管理画面の左メニュー「設定
」→「パーマリンク設定
」を開きます。
「カスタム構造」にチェックを入れ、その右の入力欄でパーマリンクを設定するのですが、サイトの運営方針によってオススメできる設定が異なります。
コーポレートサイトの場合
/%category%/%postname%/
コーポレートサイトの場合、お知らせページや製品紹介などをカテゴリを使って階層化することも多く、URLの並びも階層化で整理することで検索エンジンもユーザーも親階層を把握することができます。
SEOにもアクセシビリティにも都合が良いためカテゴリー名で階層化するパーマリンク構成をおすすめします。
ブログ・メディアサイトの場合
/%postname%/
ブログやメディアサイトではページ単体で完結させることが多いため、最もシンプルにドメイン直下にタイトルのみ付くパーマリンク構成をおすすめします。
以上はあくまで例なので、運用ポリシーに適したシンプルなパーマリンクを設定しましょう。
noindexを適切に使う
noindex
は検索エンジンのクローラーへ「このページはインデックス(登録)しないで!」と伝える記述で、以下のようにHTMLの<head>
タグ内に書きます。
<meta name="robots" content="noindex" />
なぜ検索エンジンから除外されるような記述をするのかと言うと、検索エンジンは重複したコンテンツを登録することを嫌い、重複コンテンツの多いサイトは評価を下げるためです。
WordPressはカテゴリーアーカイブや日付別アーカイブなどページ一覧を表示するページが意図せず全く同じコンテンツになることがありえます。自動生成された一覧系ページはコンテンツとしてもほぼ価値が無いため、noindex
で排除することでコンテンツ重複を避けます。
WordPress管理画面の左メニュー「All in One SEO
」→「一般設定
」を開き、ページ中ほどの「Noindex設定」で以下のように入力します。
ページタイトルの最適化
SEOではページ内容が最重要ですが、その次に<title>
タグに収まるページタイトルが重要です。
検索エンジンはタイトルのキーワードを最重要視し、人目線でも検索結果の一覧からクリックしたくなる・興味を惹けるかどうかでPVに大きく影響します。
優れたタイトルを作るにはコピーライティングの能力を要しますが、いくつかのポイントを押さえることでSEOに効くタイトルを作れます。
- ページの内容を正しく、簡潔に説明できていること
- キーワードを含めすぎないこと
- 全角32文字以内に収めること
ページ内容とタイトルは正しく噛み合ってなければいけませんし、キーワードを含めすぎるとSEO的に弱くなり、人の目にも分かりづらくなってしまいます。32文字に関してはGoogleでは全角33文字目からは省略されてしまうためです。
「誰が・何が(対象)」+「どれほど(時間・量)」+「どうなる・どうする(結果)」
こうした5W1Hでタイトルを構成することから始めると良いです。
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対象と数字、また背景を入れると具体性が増し、人の興味を惹きやすくなります。
しかし簡潔かつキーワード量も意識しなければSEO的に弱くなるためバランスに注意しましょう。
なおページを作る前にタイトルから先に作り込むことは重要です。
個人的なノウハウになりますが、私が記事を作る時は10〜20件のタイトル案を出し、最も良いと思えるものを選んでからアウトラインを書いていきます。タイトルの魅力と内容の魅力は比例しやすく、話もブレずにスムーズに作れますのでオススメな手法です。
meta description の最適化
meta description(メタディスクリプション)は検索結果の一覧に表示される概要文です。
メタディスクリプションはかつてSEOスパムに濫用された経緯から、現在はGoogleの検索順位に全く影響しません。システム上の影響はありませんが検索結果の表示を見た人のクリック率には影響します。
以下はこのブログを対象に「wordpress」で検索した表示です。
検索したキーワード「wordpress」の文字が強調されているためWordPressについて書かれていることが分かりやすく、適切なメタディスクリプションはクリック率を高めることができます。
All in One SEO Packをインストールしたことで投稿画面に以下のウィジェットが追加されています。
以下を基準に記事ごとに適したメタディスクリプションを設定しましょう。
- キーワードを初めの方へ入れる
- 人が一目で読みやすい全角90〜120文字
- 有益なことが伝わる簡潔な文章にする
見出し(hタグ)の最適化
<h1>
〜<h6>
までの見出しタグを最適化し文書構造を正すことで、検索エンジンのクローラーがページ内容やキーワードの重要度を正しく拾いやすくなります。
<h1>
は通常、サイトタイトルやページタイトルに利用し、それ以降文章を区切るための見出しに<h2>
、さらにその中で区切るために<h3>
と下がっていきます。
以下のように階層化すると分かりやすいでしょうか。
<h1>タイトル</h1> <h2>大見出し</h2> <h3>中見出し</h3> <h4>小見出し</h4> <h4>小見出し</h4> <h3>中見出し</h3> <h4>小見出し</h4> <h4>小見出し</h4> <h2>大見出し</h2> <h3>中見出し</h3> <h3>中見出し</h3> <h2>大見出し</h2>
見た目のためだけに<h2>
のすぐ次に<h5>
を使ったりせず、正しい順序で使うように直します。
見出しのスタイルもこの並びで使うことを前提にデザインします。
<h1>タグの使い方は特に重要
<h1>
タグはそのページの主題のため、SEO上重要な意味を持ちます。
サイトやブログのタイトルに<h1>
を使うことは不正解ではありませんが、トップページ以外でSEOの効果を最大化するにはサイトタイトルではなくページタイトルに<h1>
を使うようにしましょう。
またかつて<h1>
タグにキーワードを過剰に盛り込むSEOスパムも蔓延っていたため、不自然にキーワードを含めすぎると評価が下がることもあります。キーワードは1回のみで簡潔・自然な文章に済ませましょう。
画像のaltを設定する
alt
とは画像の<img>
タグに設定する「代替テキスト」です。
<img src="***.png" alt="代替テキスト">
何らかの理由で画像が表示されなかった時に代わりに表示する文言ですが、このalt
もSEOに影響します。画像のalt
もコンテンツの一部として見られるほか、画像検索にも反映されるためです。
試しにGoogleの画像検索で「カフェ 渋谷区」と検索してみます。
画像検索に出てくる画像はキーワードに適したalt
が設定されています。
このように画像検索からの流入もあるため、とくに店舗紹介や物販をしているサイトでは重要です。
モバイルへの最適化
PC版サイトとモバイル版サイトの両方を公開しているサイトでは、GoogleはPC版サイトを評価せず、モバイル版サイトの内容のみ評価するようになりました。 2018年3月からモバイルファーストインデックスを開始したためです。
PC版サイトしか用意していない場合は従来通りPC版サイト同士のランキングになるため影響を受けませんが、PC版をメインにしモバイル版をオマケのような扱いで中途半端に公開しているサイトは大きく評価を落とす可能性があります。
モバイル未対応の場合は大きな改修が考えられますが、WordPress側で対応すべきことは以下になります。
- モバイル対応したテーマを使う
- 画像の最適化をする
モバイル最適化は次いで紹介する「サイト表示の高速化」でも共通した項目があるためご覧ください。
サイト表示の高速化
Googleはインターネットユーザーがページの表示速度を重視していることを把握しており、2018年7月よりページの読み込み速度を検索ランキングの指標にすることを発表しています。
WordPressは仕組み的に表示速度が遅くなりやすいため、軽くするための手順を以下のページで紹介しています。
HTTPS(SSL)の設定
Googleは安全なインターネット体験を提供するため、HTTPS化しているサイトを検索順位で優遇しています。セキュリティ向上が本来の目的ですが集客・信用性にも関わるため、HTTPS化する手順を以下のページで紹介しています。
URLを正規化する
URLの「www」があっても無くても同じページが表示された経験はありませんか?それはURLの正規化がされていない状態です。
実体は1つのページですがGoogleは異なるURLは異なるページとして見るため、重複コンテンツとして評価が下がる可能性があります。外部からのリンクもURLがまちまちになってしまう可能性もあります。そのため意図した正規のURLに一本化します。
SEOに限らずHTTPS(SSL)に対応した後もhttp
でのアクセスは可能なため、URL正規化をしないとセキュリティリスクが発生します。
301リダイレクトを設定してURLを一本化します。
SNSへの表示設定(OGP)
FacebookやTwitterにURLがシェアされた時の注目度を上げるためのOGPを設定します。OGP設定はGoogleの検索順位を上げるための最適化ではありませんが、SNS上で検索された時の露出を強化する意味でのSEOに当たります。
以下のページで紹介しています。
外部SEO
外部から被リンクを増やすための施策です。
サーチコンソールへのXML登録
Googleサーチコンソールを利用することでページのインデックス状況や検索キーワードをある程度把握することができます。サーチコンソールにサイトの更新情報を一覧化したXMLを送信することで、投稿したページが検索結果にインデックスされるのを早めます。
All in One SEO PackでXMLを作る手順を以下のページで紹介しています。
投稿をSNSに連携する
WordPressで投稿したページをFacebookやTwitterへ自動投稿するようにします。WordPressと連携させることで運用担当者がSNSアカウントを直接操作せずに済むため、誤操作を防いだり投稿をスケジュール化できるなどメリットがあります。
以下のページで紹介しています。
まとめ
SEOの基礎だけでも以上のように多数ありますが、今回紹介したすべての項目を対応したとしても劇的なSEO効果が見込めるとは約束できません。
なぜなら検索上位のサイトもすべてのSEO項目を網羅した上で、継続的な運用努力で評価を蓄積しているためです。今回紹介した内容はスタートラインに立つための準備と言えます。
「SEO対策はこれで十分!」ということはなく、継続的な運用で最新かつ有益な情報を発信し続けて、検索エンジンからもユーザーからも評価を蓄積できる運用をしていきましょう。