すぐに安価に仮想デスクトップを始められる Amazon WorkSpacesの料金 について解説します。
公式の料金表の「アジアパシフィック(東京)」を選択すると日本国内でのWorkSpacesの料金を見れます。こちらをベースに説明します。
※以下料金の内容は2018年10月現在の料金を基準としています。
目次
WorkSpacesの利用料金の読み方
WorkSpacesの料金を把握するポイントは以下の4点です。
- 支払方式(月額料金 or 時間料金)
- バンドル(スペック)
- ソフトウェアの追加オプション
- 通信料金
それぞれ詳しく紹介していきます。
支払方式
WorkSpacesの料金体系は、月額料金と時間料金の2種類があります。
月額料金 | 定額の支払で1ヶ月24時間使い放題 |
---|---|
時間料金 | わずかな定額+1時間単位の従量課金 |
月額料金は初月のみ日割り料金となります。翌月から満額の支払が発生します。
料金は次のバンドルによって変わります。
バンドル
仮想デスクトップのOSや性能で以下のように選ぶことができます。
OS | バンドル | 月額料金 | 時間料金 |
---|---|---|---|
Linux | バリュー | 30 USD | 10 USD/月 + 0.25 USD/時間 |
スタンダード | 41 USD | 10 USD/月 + 0.36 USD/時間 | |
パフォーマンス | 68 USD | 10 USD/月 + 0.68 USD/時間 | |
パワー | 104 USD | 10 USD/月 + 0.85 USD/時間 | |
Windows | バリュー | 34 USD | 10 USD/月 + 0.30 USD/時間 |
スタンダード | 45 USD | 10 USD/月 + 0.40 USD/時間 | |
パフォーマンス | 72 USD | 10 USD/月 + 0.74 USD/時間 | |
パワー | 108 USD | 10 USD/月 + 0.89 USD/時間 | |
グラフィックス | – | 30 USD/月 + 2.41 USD/時間 |
※USD = 米ドル
ほか、ストレージ容量によって料金が変わります。
バンドルで多少の差はありますが、月に80〜90時間以上使うなら月額料金の方がお得になります。
BYOL(ライセンス持ち込み)について
WindowsのVDAライセンスなど、手持ちのライセンスを持ち込むことで割引を受けられます。しかしライセンス持ち込みの条件としてWorkSpaces200台以上の契約が必要です。
ソフトウェアの追加オプション
以下のソフトウェア一式を、1台あたり月15USDで追加できます。
- Microsoft Office Professional
- Trend Micro Worry-Free Business Security Services
通信料金
公式の料金表では触れられていませんが、WorkSpacesでインターネットを使った際の通信料金が別途かかります。
まず、クライアントPCから仮想デスクトップに接続する時の通信は無料です。
仮想デスクトップ上でインターネットを利用した時、データ送信のみ有料です。
このデータ送信料はEC2の通信と同額の通信料が発生します。
最初の1GBまで無料、以降1GBあたり 0.114 USD かかります。
例えば毎日100MB(月3GB)の送信をしていた場合、以下のような計算になります。
(3GB - 無料1GB) x 0.114USD = 0.228USD
0.228USDだと日本円にして30円足らずです。
以上のように通信料金はほぼ気にならない額ですが、分かりにくく見落としやすい項目なので見積もりが必要な時は注意してください。予算を取る必要があるなら1台あたり100円の通信量を見積もれば十分と考えられます。
利用シーンごとの料金例
WorkSpacesの料金内訳は以上までですが、用途を仮定してどの程度の料金になるか計算してみました。
コールセンターで100名のパートタイマーが使う
以下の条件で料金をシミュレートしてみます。
- コールセンターシステムの操作に利用
- Windowsスタンダードバンドルを利用
- 週4日、1日4時間勤務
一人あたり : (16日 x 4時間) x 0.4USD + 10USD = 35.6USD 合計 : 35.6USD x 100人 = 3,560USD
日本円にして約40万円になりました。
月額料金の場合は単純に 45USD x 100人 = 4,500USD とすぐ計算できるので、時間料金で計算しました。出社日時の限られたパートタイマーなら、時間料金の方がコストを抑えられることが分かります。
月をまたいで出張する社員1名が使う
以下の条件で料金をシミュレートしてみます。
- 出張期間は10月22日〜11月9日(15営業日)
- ネットやOfficeソフトの操作に利用
- Windowsパフォーマンスバンドルを利用
- フルタイム勤務
●月額料金の場合 10月の日割 : 10日 ÷ 31日 x 72USD = 23.2USD 合計 : 23.2USD + 72USD = 95.2USD ●時間料金の場合 (15日 x 8時間) x 0.74USD + (10日 ÷ 31日 x 10USD) + 10USD = 102USD
月額料金の方が若干安く、日本円にして約1万円になりました。
月額料金は初月のみ日割りで翌月から満額になるので、11月は9日までしか利用しなくとも72USD発生します。
時間料金の計算は8時間利用を想定しましたが、現実的には出張先でフルタイムにデスクトップ作業をすることは考えにくいので、時間料金はもっと低く見積もってもよいかも知れません。例えば1日4時間で計算すると、58USDまでグッと下がります。
まとめ
WorkSpacesは提供サービスがはっきりしているので、AWSの中では料金計算がしやすい方だと思います。利用シーンを想定して計算すると適した料金体系が分かるので、2つの料金体系をうまく使いこなしてみてください。