WordPressのローカル環境を作るにはいくつかの選択肢があります。
新旧の方法が混ざっているため、初めてローカル環境を作りたいけど迷っている人。またはすでにローカル環境は利用しているけどより良いツールで効率改善を図りたい人、そんな人に向けて2018年現在メジャーなWordPressローカル環境ツールを比較しました。
- XAMPP
- VCCW
- LOCAL
今回は以上3点のローカル環境ツールを比較します。
比較表
主要ミドルウェアは何が使えるのか、何ができるのか、という面で比較します。
XAMPP | VCCW | LOCAL | |
---|---|---|---|
Webサーバー | Apache | Apache / Nginx 設定可 | Nginx / Apache 選択可 |
データベース | MariaDB | MySQL | MySQL |
操作 | GUI | CUI | GUI |
サーバー知識 | 必要 | 必要 | 不要 |
導入難度 | 中 | 高 | 低 |
SSH接続 | ◯ | ◯ | ◯ |
本番との同期 | △ | ◯ | △ |
複数環境の管理 | × | ◯ | ◯ |
いずれもWordPressは確実に動くのでサーバー要件に不安はありませんが、ローカル環境の作りやすさ、管理のしやすさで大きく差があります。
ツールごとに特徴やメリットなど紹介します。
XAMPP : かつて主流だったが現在は…
現在XAMPPをベースにWordPressのローカル環境を作ることはおすすめしません。
メリット
- 一般的なWebサーバー環境が構築されるためサーバーとして扱いやすい
- サーバー設定を細かく調整しやすい
- 歴史が長くWeb上にドキュメントが多い
デメリット
- WordPressのインストールなどはすべて手動
- Webサーバーの知識が必要
XAMPPはWordPressに特化しているわけではなく、ローカルにLAMP環境を構築することが本来の目的です。
※LAMP環境とは – Linux、Apache、MySQP、PHP、Perlが動作する一般的なWebサーバー環境
XAMPPはLOCALやVCCWより古いアプリケーションのため、かつてはWordPressなどCMSのローカル環境構築には主流の選択肢でした。その名残から今もWeb上にドキュメントが多数残っています。
また仮想環境を作るわけではなくPCをサーバーそのものにしてしまうため、デフォルトではセキュリティ上問題ありませんが正しいサーバー知識で設定しなければセキュリティリスクを負ってしまうこともあります。
XAMPPはミドルウェアのバージョンアップ以外はあまり進化もせず、WordPressの利用に尖ったほか2点に劣るだけでなく、サーバー環境構築の面でも他に優れたツールがあるため、現在は中途半端な存在になっていると言えます。
VCCW : 高度なWordPress開発に向く
VCCWはWordPressの仮想環境をスピーディーに構築できる、エンジニア向けのツールです。
以下の記事でVCCWの使い方を紹介しています。
「ローカル環境の扱いやすさ」中心に考えると、インストールの難しさやCUI操作の難しさから万人向けと言えませんが、VCCWは本番環境との同期など開発面の機能に強みがあります。
メリット
- 複数のWordPress仮想環境の構築・破棄が簡単にできる
- 本番環境との同期が簡単にできる
デメリット
- インストール時の手順、前提知識が多い
- 黒い画面でのCUI操作しかできない
「CUI操作しかできない」点はエンジニア視点ならば、他システムと連携させやすいなどメリットになります。本番環境のWordPressとの同期・デプロイに使えるなど、本格的なWordPress開発・運用のシーンで他のツールとはまた違った高度なことができます。
VCCWは有力な選択肢ですが、「WordPressのローカル環境を作る」ためだけには導入も運用も難易度が高い点は留意が必要です。
LOCAL : 知識ゼロで環境構築できる万人向けツール
2018年4月現在、WordPressのローカル環境を新たに作るならLOCALを強くオススメします。
以下の記事でLOCALの使い方を紹介しています。
メリット
- GUI操作のみでサーバー知識ゼロ、説明不要で環境構築できる
- 複数のWordPress仮想環境の構築・コピー・破棄が簡単にでいきる
- 環境構築後にサーバー設定を簡単に変えられる
デメリット
- とくに無し
今回紹介した3点の中では唯一、非エンジニア向けのアプリケーションと言えます。GUI(アプリ画面)からクリック操作だけでローカル環境の構築と管理ができ、ほか2点より抜群に簡単です。
なおかつ機能は劣らず、WordPress開発での一般的な要望はGUI操作でほぼ全て行えます。
LOCALは「Flywheel」という海外のWordPressホスティングサービス大手が提供しており、そのサービスとの連携機能も一つの特徴です。企業がPRの一環として開発しているためクオリティが高いです。
まとめ
今回はXAMPP、VCCW、LOCALの3つを紹介しました。
その中でも手っ取り早くWordPressのローカル環境を作るなら、LOCALの使いやすさが飛び抜けています。
過去にXAMPPを使ったことがある人には「ローカルPCがサーバーになるので設定がおかしくなる…」という悩みもありがちでしたが、VCCWとLOCALは仮想環境を構築するためPCの設定を汚すこともありません。
自分の用途に合ったローカル環境を検討してみてください。