WordPressのローカル環境をスピーディーに作れる「VCCW」の使い方

WordPressのローカル環境を作るには「XAMPP」や「MAMP」が有名でしたが、これらはPCをWordPressが動くWebサーバー化するだけであってWordPressを作ることに特化しているわけではありません。

そこでWordPressの開発環境構築に特化した「VCCW」を紹介します。

VCCW – A WordPress development environment.

VCCWには以下のメリットがあります

  • 複数のWordPressを簡単に構築・破棄できる
  • 本番環境との同期・反映が楽

上記公式サイトの「Getting Started」に沿って進めるだけですが、自分がやった手順で紹介します。
ターミナル(黒い画面)を多少扱いますが、手順通りに進めてもらえれば簡単に利用することができます。

VCCWでWordpressを起動するまでの手順

VCCWを使うために必要なソフトのインストールを進めます。

1. VirtualBoxのインストール

VirtualBox

VirtualBoxとは、PCの中で別のPC・サーバーの仮想環境を作るツールです。今回はインストールするのみで直接操作はしません。

2. Vagrantのインストール

Vagrant

Vagrantとは、様々なソフトウェアの仮想環境を簡単に構築できるツールです。今回主に操作するソフトウェアです。

Vagrantがインストールされたらターミナル(Windowsならコマンドプロンプト)を開き、下記コマンド確認してみます。

$ vagrant -v
vagrant 2.0.3

2行目のようにバージョンが返ってくれば問題ありません。

ここからしばらくターミナルの黒い画面でVagrantの操作が続きますが、手順通りに進めてもらえば難しくありません!

3. vagrant-hostsupdaterプラグインのインストール

VagrantでVirtualBoxを実行した時にhostsを自動操作してくれるプラグインを入れます。

$ vagrant plugin install vagrant-hostsupdater

4. VagrantBoxのダウンロード

VCCW用のbox(Vagrantで使うOSイメージ)をダウンロードします。

$ vagrant box add miya0001/vccw

結構なサイズなのでダウンロードには数分待ちます。

5. VCCWのダウンロード

5. Please download .zip.」にあるボタンからファイルをダウンロードして展開してください。

またはGitからcloneする方法もあります。Gitを利用している人ならば以下のコマンドで済ませた方が楽です。

$ git clone https://github.com/vccw-team/vccw.git my-wordpress

6. DL、展開したVCCWにディレクトリを移動

zipファイルを開くと「vccw-3.18.0」のようなフォルダができるのでターミナルで移動しておく。

$ cd vccw-x.x.x

7. Vagrant実行

移動したフォルダでVagrantを実行しVCCWを起動する。

$ vagrant up

初回の起動はVM環境の構築のため、10分〜20分ほど時間がかかることもあります。

8. WordPressへアクセス

Vagrant起動後、初期設定では下記URLでWordpressが確認できます。

  • http://vccw.dev/
  • http://192.168.33.10/

ダッシュボードは下記URLでアクセス。

  • http://vccw.dev/wp-login.php
  • http://192.168.33.10/wp-login.php

管理者ユーザーのID/PWは admin/admin

以上でWordpressの実行まで確認できました。
しかしサーバ設定が英語なのでWordpressも同じく英語なので、サーバ設定をすることで調整することができます。

※サーバ設定変えなくてもWordpressの言語設定で変えるだけでも問題ありません。

サーバの設定を変えてみる

言語設定だけでなくサーバスペックなども変えることができます。

VCCWフォルダ内の下記ファイルを開く。

vccw-x.x.x/provision/default.yml

内容はそう難しくないですが、想定するサーバ環境に合わせて設定できます。

サーバスペック

memory: 1024
cpus: 2

ホスト名設定

hostname: vccw.dev
ip: 192.168.33.10
sync_folder: 'www/wordpress'

WordPress初期設定

version: latest
lang: ja
title: おいでやす VCCW
multisite: false
rewrite_structure: /archives/%post_id%

WordPressユーザー設定

admin_user: admin
admin_pass: password
admin_email: hoge@fuga.com

デフォルトプラグイン

plugins:
  - dynamic-hostname
  - wp-total-hacks
  - tinymce-templates
//追加できる
  - contact-form-7

まとめ

XAMPPをすでにフル活用しているならばわざわざVCCWに乗り換えなくてもよいかもしれませんが、多数のWordPressサイトの構築や管理を行う人には良いツールです。

またVCCWで構築されるWordpressには結構な量の記事やカテゴリのダミーデータが入っているので、テーマカスタマイズをする時のベースとしても使いやすく思います。